生産者折笠 健さん(幕別町)
北海道木村の会の会長を務めている。
芋の栽培を大規模に行っている。
先代は、当時としてはめずらしく自ら販路を拡大する努力をしてきた。そのひとつに関西地区の生活協同組合さんがある。
安心・安全をモットーとしているため、ニーズはクオリティが高くしかもリーズナブルなものを求められていた。
従来の品種にとらわれず、農薬や肥料を使わなくても栽培ができ、営農できるだけの適正な収量があって、しかも美味しい品種を探して提供してきた。
そんな父の姿を見ながら彼は育った。
自分の代となって、次は何をすべきなのか、自問自答する日々がつづいた。
そして思い描いたのは、更に増えていくであろう “ アトピー ” や “ 化学物質過敏症 ” の人たちへの食糧の供給であった。
彼らは、一般に売られている肥料や農薬を使った野菜を、その症状が悪化するなどの理由から、食べることすらできなくなったりする。
彼らを救うためには、自分だけが作ってもカバーし切れるものではない。
誰もが栽培可能で、安定した収量が見込め、リーズナブルに消費者に提供できなければいけない。
そのため、土壌や昆虫、育種などにかかわる専門家や学者、農協、行政などとタッグを組み、積極的に自分の農場を提供し、常に数百種類もの新しい品種の芋を試験栽培し、探求しつづけている。