僕の家内は読書が大好きです。大の本好きです。
子供のころから本に囲まれた生活をしていたようです。
暇さえあれば本を読んでいて本が友達といっても過言ではありません。
そんな彼女が僕と結婚して、そのころの蔵書の一部が我が家の本棚にも置いてあります。
ほんとについ先日、たまたま目に留まったのが「モモ」というハードカバーの本でした。
彼女にこの本のことを聞くと、ミヒャエルエンデという人が書いた小学生の高学年向けのファンタジーなんだけど
短大生の時に読んだというのです。付け加えてこの作者は、実は僕がむかし観た大好きな映画「ネバーエンディングストーリー」の原作者だというではありませんか。これはちょっと興味があると思って読み始めました。
するとその内容はファンタジーという不思議なお話なんかじゃなく、まさに今の社会を風刺してるんじゃないか!
と少しの興奮とともに寒気のする気味の悪さを感じていました。
というのも、このお話の内容は時間どろぼうというのがいて皆に時間を貯蓄するよう勧めます。
あらゆる無駄をなくし何事も効率を求めれば早く事が終わり、残った時間は貯蓄できるのだとそそのかし彼らに促します。
なるほど!と思った人々はよそ見もせずに仕事を終わらせ、
家にいるおばあさんとの会話する時間さえもけずるために安い養老院に入れてしまいます。
簡単で便利な文明の利器の良さをメディアは紹介し、人々はこぞってそれを使い、そして憑りつかれたように時間を節約していきます。できるだけ効率がよく、しかも早く、そして無駄なことは省き時間を節約していきます。
時間どろぼうは人々が貯蓄したその時間で生きることができるのです。しかし人々には実際何も残らないのです。
ですが彼らは、何も残らないのに時間をかけることはもったいないことだと思い更に節約に徹していきます。
毎日がただただ早く流れてゆき、彼らはだんだんと怒りっぽくなり、イライラしだし、落ち着くことがなくなってゆきます。
ここまで書けばもうお分かりでしょう。
まさしく今の社会そのものだと思いませんか?
人は何のために便利さや効率を求めるのでしょうか。
多くのメディアやSNSから早くかつたくさんの情報を受け取り時間をかけることは無駄だと思い近道をしようとしています。
それで得た時間はいったいどこで使われているのでしょうか?みんなはいったいどこに向かっているのでしょうか?
大切なもの見失っていませんか?
大切なこと置き去りにしていませんか?
大切な人ないがしろにしていませんか?
自分にとって大事なもの、大事なこと、大事な人
時間を気にせず大事に大事にして
生きていきたいですね。
そんな世の中を思い描きます!!